鎌倉・カレー・大銀杏

お正月に行かれなかったお墓参りに、鎌倉へ行きました。
朝早めに家を出て午前中にお参りを済ませ、そのあとはゆっくりと散歩するのがいつもの楽しみ。

オーガニックのプルーンピュレ

若宮大路の「ロングトラックフーズ」のあまりに美味しいパンやペーストは買わずにはいられません。男の子のマークがいい味出しているオーガニックのプルーンピュレも購入。

 
間違いのないお買い物

お昼は行ってみたかった小町通りのカレー屋さん「オクシモロン」へ。この店は、知人のライター、一田憲子さんが手掛けた「間違いのないお買い物」(主婦と生活社)のなかに載っていて、とても興味を惹かれたのです。

古道具風の家具を使った学食っぽい内装、水のグラスはボデガ、雑貨コーナーには川上澄生の絵のトランプや器が並び、フロアスタッフは麻のきれいなハウスコートを着用、そしてカレーはイイホシユミコさんのお皿で登場というお洒落っぷり。

人参と豆と紫キャベツのサラダ盛り合わせが、緑がかった墨色のお皿に、まるで絵のように鮮やかに映えます。もちろんカレーは、いい素材できちんと作られたシンプルかつ誠実な味わい。神楽坂の「想いの木」も好きですが、いまは胃に優しいこちらのカレーに寄り添いたい気分。

オーガニックのプルーンピュレ

食後に出してくれた「くるみのお菓子」の可愛さに、思わずお土産を求めてしまいました。

大銀杏

食後、鶴岡八幡宮の倒れた大銀杏を見に行きました。うわさどおり、根からたくさんのひこばえが!
なんという生命力なのでしょうか。
その前に立っているだけで、エネルギーをしっかりチャージさせてもらった気持ちです。
新春に、ありがたい大銀杏からの贈り物でした。

友、イタリアより来たる 2

シチリアのニンニクと唐辛子

ミラノから一時帰国していた料理ジャーナリストの須山雄子さんからいただいた、シチリアのニンニクと唐辛子。

オペラのように美しいイタリア語を話す須山さんは、日本のイタリア料理界のシェフたちをずっとミラノからサポートしてきた方。そしていまは、イタリアの料理界でも知らない人はいないジャーナリストとして活躍されています。

彼女と会うと、話はついつい日本社会のことに。
唐辛子を見ながら、「いろいろな形があるのがいいよね、不揃いでね」と須山さん。
全員揃って同じように何かするのが息苦しい日本。でも、イタリアの個人主義、クラス社会もなかなかにきつい。結局、いつまでたってもぴったり合う場所がないなあ、と思いながら年月ばかりが経っていきます。

シチリアのニンニクは甘くて強い、個性的な太陽の香りがしました。

友、イタリアより来たる

トリノから一時帰国した年若い友人と2年ぶりに再会。素敵なギフトボックスに入ったお菓子をお土産にいただきました。

マジパンでできたひとくちサイズの小さなトルテはチェリーやコーヒーなど、ひとつひとつに違った味わいがあり、なんともエレガント。ふわりとアニスの香りがするところが、まさにイタリアのお菓子の味。フランスのお菓子と違うところです。

友人はトリノの高級住宅地に住んでいますが、「いろいろね~、差別とか」と嘆きます。買い物にいくと、メイドさんに間違えられることもあるそう。これはきつい。よーくわかりますよ、その気持ち。
たくさんのイタリア人に日本語を教え、通訳としても活躍し、日伊文化交流にがんばっている元気な友人でも、そんなことがあるのね。というか、いまだに差別ってあるのか~と正直驚きました。

わたしがミラノに住んでいた25年ほど前はかなりのもので、ジプシーと間違えられるから長いスカートは穿かないほうがいいよ、とアドバイスされたことが昨日のことのように思い出されます。当時日本で愛用していたロングスカートを、結局一度も穿かなかった。どんなに時代が変わっても、やっぱりイタリアはクラス社会で、東洋人が生きることの難しさは相変わらずなんだな、とため息。
素敵なところもたくさんある国ですけれどね。

アニスの甘い香りに包まれながら、「がんばれ~」と心の中で声援を送りました。

ソウルの散歩道 8

「冬はものがよくみえる」と書いた作家がいたけれど、香りもまた、と思います。

ソウルの冬の風物詩は花梨。
よく晴れた日、荷車いっぱいに鮮やかな黄色の実を積み上げた花梨売りのおじさんをよく見かけます。もちろんどこのスーパーにもあり、伝統茶の店に行けば、いつものシロップ漬けではなく、生の花梨を千切りにしたものをたっぷり使った花梨茶が出てきて、とても美味しい。

寒い地方ならではの花梨は東京では手に入りにくく、この秋、どうしても欲しくて諏訪湖の花梨ロードまで訪ねましたが、時すでに遅く、購入することはできませんでした。

ソウルの花梨は日本に買って帰ることはできないですが、一つ求めて部屋に置きました。立ち寄ったカフェのシンプルな木のカウンターの上に、さりげなく置かれて、いい香りを放っているのも素敵でした。

 

空気が冷たいとき、香りはより親しみをもって感じられます。寒いミラノの冬も、すれ違う毛皮のマダムたちの香水の、ふわりと暖かい香りに、振り返らずに入られませんでした。

仁寺洞のサムジキルのなかにある自然石鹸の店「手手軒」の石鹸は、花梨をふたまわり小さくしたくらいの、ころんとした手作りの丸さがいい感じ。真珠、長脳人参、オークモス、ブルーベリーヨーグルトなど面白い名前がつけられた石鹸は、部屋に置いておくだけでいい香りです。和紙のパッケージもおしゃれなこの石鹸を購入して、お土産にしました。

ソウルの散歩道 7

テレビをつけると連日、ヨンピョン島のニュースが飛び込んできますが、ソウル市内はいつもと変らぬ様子です。島民の方々の悲惨さを知ると心が痛みますが、多くの市民はクリスマスの方に関心が向いている模様です。

辛いものが食べられなくなってしまった今、韓国ご飯は注意深く選ばなくてはならなくなりました。が、ソウル一美味しいと思っている干し鱈のスープは、とてもからだに優しい味。それもそれはず、二日酔いのときや具合が良くないときに食べるものとされているのです。

どこの国にもそういう食べ物はあり、たとえばイタリアだったら、天使の髪の毛という名前の細い細いパスタが入ったコンソメスープなんかがそう。東京だったら鍋焼きうどんかしら。

湯気を立てて運ばれてくる豆腐と葱だけのたっぷりスープは、鱈の出汁が効いて、それにアミの塩漬けを入れて食べると、からだの芯から温まります。

市庁広場近くの「ムギョドンブゴクック」は黙って座れば鱈スープと三種類の漬物がどんと出てくる専門店。ランチに行こうと思ったら11時20分には到着しないと長蛇の列に並ぶことになります。

11時半を過ぎたらもう満席。どの席も男性ばかりで、みな黒いコートを着ているので店内は黒々としています。なんとなく少しこわく感じるのは、そんな中年男性たちが男くさくて、ちょっとばかり男尊女卑の匂いがするからかも。昭和の日本の男性というのもこうだったような。そしてその威圧感と戦ってきたのが、わたしの世代のキャリア志向の女たちでした。その結果かどうかわからないけれど、ふと気がつけば世の中、草食男子ばかり。攻撃性がなくなったことはいいことのように思うけれど、不毛な感じもあり、複雑です。

 

さて、食後は近くの「Angel―in―us coffee」へ。天使のロゴマークが可愛くて、ついここに入ってしまいます。それにしても、ソウルにはファストコーヒー店がどうしてこんなに多いのか謎です。

コーヒービーンなどのアジア展開しているチェーン店やスタバ、そしてエンジェルインアスコーヒーも店舗数を伸ばしている様子ですが、他にも同じような店が山ほどあります。しかも結構なお値段。鱈のスープが6000ウォン(約480円)に対し、コーヒー4000ウォン(約320円)って、いいのかなあ? ドリップやサイフォンで淹れている喫茶店はあまり見たことがありません。それでも、蓋付きの紙カップを手に、同僚たちと笑いさんざめきながら会社に戻る集団があちらにもこちらにも見られる、オフィス街の昼休みです。