第十回「桃の庭」

言葉と五感の朗読ライブを開催しました

6月4日(土)、成城の住宅地の中にあるコンサートホール「カーサミア」にて、第10回桃の庭朗読ライブを行いました。

 

梅雨の晴れ間の美しい、初夏の夕刻。
木々の緑が映る白いホールにお客様が訪れはじめました。

今までなぜか雨のことが多かった桃の庭、でも今回は記念すべき10回目、そしてスタッフも新たに新生桃の庭としてスタートです。まるでそれをことほいでもらっているかのようなお天気でした。

 

今回のテーマは5月末に出した新刊「実りの庭」(文藝春秋)。
10年前に新潮社から出版した「実りを待つ季節」の続編です。

 

「実りを待つ季節」は、30代から40代の、まさに実りを「待つ」日々と、亡き父への思いを書いたもの。
現在は親本、文庫本ともに絶版で、古書でしか手に入らないのですが、日本中の中学、高校、大学受験の現代国語の試験問題に毎年、採用され、あらゆる受験問題集に採録されています。

「実りの庭」は、その後10年間の、まさに更年期に突入し、女の棚卸しに直面した心境を余すところなく描きました。

 

介護、子育て、家族、仕事そして欝。すべてが難しい問題となって襲いかかってくる45歳から55歳という年齢。
その最後に震災がありました。

そんな激動の日々を綴ったエッセイの中から、あえて読んだのは「爪」「オカアサン」。両方とも死を正面から扱ったエッセイです。
震災で多くの魂が天に召され、被災地から離れたところで地震を経験したわたしたちも、多かれ少なかれ死を意識しないではいられませんでした。

そしてそのことを考えていくなかで、死ぬことは生きることと同じ意味のあること、と感じました。
意味のある死を「生きる」、をテーマに、朗読したいと思ったのです。

そして最後に、表題作「実りの庭」を朗読用に少し短くしたものを読みました。

今回、音楽をお願いしたのは、笛と津軽三味線の演奏家であり、作曲家でもある木村俊介さんです。

 

木村さんは演奏家として、また音楽監督、作曲家として、日本のみならずヨーロッパ、東欧、アジア各国で活躍していらっしゃる気鋭の音楽家。わたしの朗読に素晴らしい音楽をオリジナルで作ってくださり、演奏していただきました。

木村さんの音楽は丹田が澄み渡るといった、端整で清々しいもの。まさに本物です。ご興味のある方はぜひこちらの公式サイト「音象」をご覧ください。音源をお聴きいただけます。
http://insho.kmlw.net/

 

朗読のあとは新刊にサインをさせていただきました。
たくさんのお買い上げをありがとうございました。

昨年は病気で、今年3月は震災で中止となった「桃の庭」、今回は多くの方々に支えられ、一年半ぶりに開催することができました。
たくさんのお客様にいらしていただき、心から感謝いたします。
本当にありがとうございました。

 

次回のイベントは7月22日(金)、銀座ジャッジョーロ・ハーブハウスでの茶話会です。
詳しくは「最新情報」をご覧ください。