ソウルの散歩道 6

朝鮮白磁の伝統技法をベースに作品を作られているイ・キジョさんの白磁を買いに、江南のchoeunsook art &Lifestyleというギャラリーへ行きました。

母を4年前に見送ったとき、遺された膨大な食器を前に、自分はもうこの先、決して食器は買うまいと誓ったのに、最近の三食自炊状態でいつになく料理にはまり、欲しかった島るり子さんの、粉引きのリムの広い中皿と耐熱の鉢を買ってしまってから、再び食器熱に火がついてしまいました。

独身時代から母と京都の市や骨董店に行きまくり、後先考えずに買った日々が懐かしい。食器は実用を兼ねていて、買うことに罪悪感が少なかったのです。家族が減り、自分自身が食べる量もぐんと減り、そうして人生は終息していくということを想像もできなかったあの頃。

それでも普段は我慢しているのですが、今回はイ・キジョさんの伝統的なデザインに惹かれて、「見るだけ」とか言いながらギャラリーへ。

ちょうどKoo Ja Hyunさんの版画の展覧会が行われていました。日本で現代版画を学んだというHyunさんの金箔を使ったダイナミックな作品。

 

キジョさんの白磁は、棚の中にしまわれていて、オフィスルームで珈琲やお菓子をいただきながら見せてもらいました。こういう買い方は優雅な気持ちになりました。

 

ギャラリーオーナーの姉妹と、日本語ができるHyunさんの奥様とみんなで、どの器には何を盛るのがいいか、から日韓の女性美の価値観の違いについてなどなど話も弾みます。
「日本人の女のひとは可愛いって言われるのが好きよね~。わたしたち韓国人はきれいって言われたいの」とのこと。

 

やはり魅力的なのは伝統的なこんな器。ワインを飲むときチーズとオリーブを置いてね、と画廊姉妹がおしゃれな提案をしてくれましたが、おやつのお餅を置いてしまいました。

 

包み紙もしっかりした白い和紙に、麻色の紐。黒衣の女性たちが包んでいる姿のコントラストの美しさにも惚れ惚れ。どこの国でも伝統の意匠というのはもっとも美しいものだなあ。

 

日本に帰ったら、スカンジナビアの古い木のトレーの上に飾ってみようと思っています。