ル・ベスベ高橋郁代さんの花

ル・ベスベ高橋郁代さんの花

新刊が出たお祝いに、友人から素敵な花束をいただきました。

わたしが大好きな「ル・ベスベ」という花屋さんで、わざわざ作ってくださったそう。感激ひとしおです。

新刊のテーマである森をイメージしたという花束は、チョコレート色のひまわりや、ちょっとミツバチのように見える不思議な背の高い花、やわらかな緑色の蔓、そしてスグリ!

実は少し前に街の花屋さんでスグリがワッっと売られているのを見て、枝もの実もの好きのわたしはすっかりほしくなってしまったのでした。でもその日は大雨の上、まだ打ち合わせがあり、仕方なくあきらめていました。

まるで以心伝心のような花束!

ル・ベスベの高橋郁代さんの花は、彼女が渋谷の東急ハンズにいらっしゃる1980年ごろからのファン。当時、編集者やスタイリストの間では、撮影用の花のアレンジなら東急ハンズへ、というのが合言葉でした。

わたしが初めて自分のための花を買いに行ったのは90年代の初旬、でも高橋さんはそのときご不在でした。入院されていたのです。

ル・ベスベ花物語

以来、同い年の高橋さんの存在は、わたしのなかで大きな位置を占めるようになりました。病と闘い、後遺症と闘いながら、世にも麗しい花あしらいをする職人。花と対話できる、純粋そのものの、頑固一徹の高橋さんをとても尊敬しています。

高橋さんの花には生き物としての力があるのです。その力を最大限に引き出せるのは、彼女がいつも自然や世界というものに対して謙虚に向き合っておられるからでしょう。

ずっと出るといいな、と思っていた半生記「ル・ベスベ花物語」も文藝春秋から刊行され、深い共感とともに読みました。