ソウルの散歩道 2

三清洞のメインストリートから、家々の間を縫うような細い階段を登っていくと、韓屋と呼ばれる伝統的な建築物のある歴史保存地区、北村に出ます。
活気と落ち着きのある気持ちのいい場所です。

韓屋

韓屋のカフェで伝統茶をいただき、仁寺洞に向かって散歩していく途中に、とても印象的な彫刻がウインドウにあるギャラリーを見つけました。

印象的な彫刻

どんな作家の作品? と思い、説明書を読んだら、それは視覚障害学生たちの作品展だったのです。

展覧会のタイトルは「ひびが入った顔」。
このギャラリーは日本語で「わたしたちの目」という名称の、韓国視覚障害芸術協会が運営するものでした。

日本語の案内文にはこう書かれています。

「顔は他人の身元を確認して、感情を読み取り、美醜と、好き嫌いを判断する一番重要な身体の一部です。
そしてそのすべての過程は、視線の交換を通じて行われます。
自分と他人を目を通じて認識し、評価することができない視覚障害者にとって、顔はどんな意味を持つのでしょうか。(中略)
こんな疑問を持って集めてみた視覚障害学生たちの顔作品は、彼らの情緒と趣向、そして傷と治癒の跡までも見られます。
それらは土で作った作品を乾かして焼いたときにできたひびに似ているような傷です。(後略)」

ひびが入った顔

顔というものを、思いもかけなかった側面から教えられたような衝撃でした。
そしてこれらの作品に、えもいわれぬ自由さと解放感をも感じたのです。

どの顔にも、無垢な美しさと愛らしさがあります。
娘が小さな頃に作った作品にも似て、それは傷と背中合わせのものなのかもしれませんが、深い印象を残しました。

案内文